日銀のマイナス金利解除(2024年3月)以降、2025年に政策金利は0.5%前後まで段階的に引き上げられ、長くゼロ金利に張り付いていた預貸利鞘がようやく正常化局面に入った。調達コストをほぼ据え置いたまま貸出金利・市場運用利回りを引き上げられるメガバンクは「金利のある世界」の最大の受益者で、三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)は利鞘改善に加え、政策保有株(持ち合い株)の縮減益・自社株買い・累進配当による株主還元強化でPBR1倍割れを脱却した代表格となっている。SMFGはSMBC・SMBC日興・SMBCコンシューマー(プロミス)・Olive を束ねる総合金融グループという構造を持つ。
追加利上げが続けば利鞘はさらに拡大するが、「金利上昇=そのまま増益」という単純な織り込みは進んでおり、ここからは貸出ボリュームと信用コスト(与信費用)の綱引きが焦点になる。景気減速や中小企業の金利負担増で与信費用が膨らめば利鞘改善を相殺しかねず、米金利動向・円安に伴う外貨調達コスト・海外(特に米州・アジア)貸出の質も振れ幅要因。政策保有株の売却益は一巡すれば剥落するため、コンシューマーファイナンス・カード・証券・決済(Olive)など非金利収益と、デジタル基盤による顧客基盤拡大が次の成長ドライバーになる。