不動産大手はオフィス賃貸の堅調さで稼ぐ「賃貸+分譲+海外」の複合体で、丸の内に約30棟を持つ三菱地所はオフィス賃料20%超の利益率を維持し、都心Aクラスビルの空室率が2025年に3%台へ改善するなか賃料の本格反転を享受している。三井不動産はららぽーと・三井アウトレットパークの商業とインバウンド回復、海外(米英)・ロジスティクスへの分散で利益を底上げし、両社とも保有不動産の含み益が時価総額に対して厚い「資産バリュー株」として認識されている。物言う株主(エリオット等)の圧力を受けた政策保有株売却・自社株買いの加速が共通テーマ。
追い風はインバウンド最高水準による商業・ホテル賃料の上昇、建築費高騰が新規供給を抑え既存優良ビルの希少性を高める構図、含み益を顕在化させる資産入替・REIT活用の進展。最大リスクは日銀の利上げで、長期金利上昇は割引率・調達コスト上昇を通じて含み益と分譲採算を圧迫し不動産株のバリュエーションに逆風となる。「保有して値上がりを待つ」モデルから開発利益とアセットマネジメント手数料を回す資本効率重視(ROE改善)への転換度合いが両社の評価を分ける。