交通・インフラセクターは「鉄道の安定収益+エアラインのインバウンド爆発」という二層構造で、2025年度は両者とも収益が高水準に回復した。勝ち組はJR東海で、東海道新幹線の高稼働を背景に前年度(2025年3月期)に営業利益率38%超を記録した製造業も顔負けの収益力を持ち、リニア中央新幹線への巨額投資余力を支える(2025年度予想は約36%へ低下見込み)。JR東日本・西日本はSuica経済圏や駅ナカ・不動産といった非運輸事業の比重が高く、運輸単体の回復鈍さを生活サービスで補う構造で、ANA・JALは記録的訪日客と円安で国際線旅客収入が過去最高・コロナ前超えに達した。
最大の構造変化はインバウンドで、円安が続く限り国際線がJAL・ANAの収益を押し上げるが、為替反転や燃油・人件費高騰がリスク。鉄道はリニアの開業時期が大きく後ずれし、JR東海は2024年に2027年開業を正式断念、開業は早くても2034年以降に。遅延は静岡工区に加え全国の工区(84工区中31工区が2027年超)に波及し、JR東海はキャッシュを生みつつ建設キャッシュアウトを抱える投資先行フェーズが10年単位で長期化する。金利上昇局面では巨額有利子負債の支払利息増が利益を圧迫する一方、JR各社の運賃改定やダイナミックプライシングが単価の追い風となり、鉄道は安定配当・エアラインは循環回復と投資の性格が分かれる。