電力・ガスは「インフレ・原発再稼働・GX(脱炭素)投資」を軸に収益が二極化している。勝ち組の関西電力は美浜・高浜・大飯の原発フル稼働で他電力が燃料費に苦しむ中も低コストのベースロード電源を確保し、ROE15%・高い連結利益で業界トップ級を維持してきた。ただ2026年度はその反動減(YoY-12%)局面に入り、燃料費調整制度の追い風一巡と政府の電気・ガス料金補助の縮小・終了が利益のかさ上げを剥がしつつある。一方の東京ガスは都市ガス本業が人口減・脱炭素で構造的に伸び悩む中、米シェールガス上流権益・電力小売・不動産(豊洲などの遊休地再開発)へ多角化し、総合エネルギー企業として稼ぐ体質へ転換している。
最大の構造変化はデータセンター・AI半導体需要による電力需要の反転で、10年以上続いた需要減トレンドが上向き、原発という低コスト電源を持つ関西電力には長期の追い風となる(次世代軽水炉の新増設議論にも踏み込み始めた)。一方で送配電網増強・再エネ接続・GX対応の巨額投資、金利上昇による有利子負債コスト増(両社とも資本集約・高レバレッジ)、円安・LNGスポット市況の燃料費ボラティリティがリスク。東京ガスはe-メタン(合成メタン)実証と海外上流・電力で成長を取りに行くが、料金補助終了後の都市ガス需要の弱さとガス火力のCO2規制が長期の重しになる。